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2026-06-09 最終更新 2026-06-10

東北大学編入学(推薦)を受けた感想

東北大学 工学部 電気情報物理工学科の編入学試験の体験記です。この記事を書いている日の次の週の火曜日に合格発表なので、今の私には合格したかどうかなんてものは分かりません。とりあえず忘れないうちに殴り書きですがメモを残しておきます。

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成績等

成績はこんな感じでした。

学年1234
順位(位)3251
  • ロボカップジュニア・ジャパンオープン2023名古屋 サッカーライトウェイト 出場(ほぼ最下位でした)
  • DCON2024 最優秀賞
  • 第3回高専起業家サミット アイデア部門 優秀賞
  • TOEIC 820点(4年9月に受験)

編入に向けての勉強

1年〜3年

特に勉強といえる勉強は何もしていません。定期試験前に勉強していたくらいです。コンテストとかも出ていました。

このときは東大を目指していました。過去問も1年生のときには請求して雰囲気を味わっておこうと思っていました。本当はこのときからしっかり勉強しておくべきだった。

3年春休み

FPSをよく遊んでいる身分だったのですが、そろそろ勉強を頑張らねばと思い、デスクトップコンピュータを封印しました(結局、元々ゲームを遊んでいた時間がショート動画を見る時間に変わっただけでした)。

重度の花粉症を抱えていて、それから逃げるために春休みの始まりから終わりまでをオーストラリアで過ごしていました(いとこがあっちに住んでいるので宿泊費は0です)。18歳になったばかりだったのでウキウキでお酒を飲んだりカジノに行ったり観光したりして楽しんでいました。

4年生

ずっと東京大学を目指して勉強していました。色々な人の東京大学の編入体験記を見ながらモチベーションをできるだけ高めて勉強しました。

私の学校には「数学特論」という編入対策特化の科目があり、その授業を受けているだけで編入数学徹底研究レベルまたはそれ以上のレベルの数学を学べました。確率やベクトル解析、複素関数論以外の数学についてはこの授業を真面目に受けてさえいれば、あと少し勉強をするだけで東大も目指せると思います。

前期

やる気が出たときに勉強していました。

  • 編入数学徹底研究 線形代数まで
  • 大学生の初等力学 一周

を終わらせました。私は情報系なのですが、学校では物理を全く学ばなかったため初等力学はとてもキツかったです。でも、案外コツを掴めば覚えることも多くなく、むしろ楽しかった記憶があります。

夏休み

夏休みの前半は毎朝7時くらいに起きて寝るまで勉強していました。後半になってからはやる気が出たときに勉強していた感じです。

  • 細野確率 一周
  • 編入数学徹底研究 二周
  • 金フレ 暇な時間にできるだけ

TOEICも受けました。820点でした。

後期

電磁気学や電気回路、複素解析を頑張りました。美しさに感動を覚えた反面、特に電磁気学では「それは結果論だろ」みたいなものも多くて理解に苦しんだ覚えがあります。

  • 工学系学生のための 複素関数攻略への一本道 一周
  • 大学生の電磁気学 一周

東京大学の過去問を見るたびに不安を感じて眠れない日々が続きました。2月後半くらいから「やっぱり東大諦めようかな」なんて思ってしまうようになりました。

とても困ったので勇気を出して人生初の精神科に行ってみたのですが、私はもう19歳なのに「お父さんかお母さんを連れてこないと診断できません」とか言われてやる気を無くしました。

ある日、友達と昼ごはんを食べているときに早稲田の指定校推薦の情報を見ました。「これはアリだ」と思って高専の進学担当に連絡してみたところ、「うちの学校には残念ながら枠がない」という旨の返信が来たため他の推薦がある大学を探すようになりました。

春休み

東大から志望校を変えることを決めてからベッドでスマホやコンピュータを触ってばかりになりました。というか花粉がキツすぎて勉強もしていられませんでした。

春休みが始まってすぐに友達と筑波大学を見に行きました。私には登校が大変そうだと思い他の大学も探しました。

春休み後半くらいになって、東北大学を見に行きました。行くことになった前日に仙台に行くことを決定したため、研究室へのアポを取ろうとするのは失礼だと思い研究室見学は諦めました。

仙台や東北大学が結構良いところだと思い気に入ったので、一人暮らしもしてみたいし研究室の外観もかっこよかったので東北大学を受験してみることに決定しました。

図1: 志望研究室が入っている建物。外観で志望度が上がった。

3月28日に東北大学出張オープンキャンパスなるものが東京で開催されていたので、行ってみることにしました。教授に質問できるスペースがあったので、面接でどういうことを言えば刺さるのか、口頭試問ではどういった内容が出題され得るのかを聞きました(もちろん、直接的な聞き方はしていないです)。教授の方曰く、「自分なりの売りポイントを用意すること」と「大学1,2年生で習う内容しか基本的に口頭試問では出さないのでシラバスを確認すると良いこと」が編入試験を受けるにあたって大事なポイントになりそうだとのことでした。

5年試験前まで

東北大学の編入学試験では、口頭試問で自分の得意な科目について出題されると聞いた上、併願として筑波大学も受けようと思っていたので専門科目としてアルゴリズムとデータ構造を勉強してみることにしました。追加で授業でやった統計学が面白かったので、それも武器にできたら良いなと思って統計学も勉強しました。

  • プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造 基礎編
  • 統計学入門(東大出版のやつ) 全体的に自分でも説明できるくらい読み込んだ

それ以外にも、東北大学OGの友達に勉強会に誘われるようになり、そこでネットワーキングをしていくうちに人と話せるようになっていきました。その時まで私は自分から人と話すことなんて本当にできない人間だったので、人と話せるようになる自信がついて良かったと思っています。いちドパガキとして、このツイートに共感を覚えます。

試験一週間前

生成AIにアルゴリズムとデータ構造や確率統計の問題を作ってもらい、それに答えるというのをたくさんしていました。わからなかったところは解説をしてもらって、本で確認して、きちんと自分で説明できるようになっているかというのを気をつけました。

面接で話す志望理由や高専時代に頑張ったことなど、何を言うかを考えていなかったのでコツコツと話す内容を決めていきました。

後悔早めに話す内容をある程度決めておいて面接練習をやるべきだった。生成AIや幼稚園時代の友達、東北大学OGの友達、高専の友達からはアドバイスをもらったものの、学校の先生には1mmも内容を見せていなかったため本当にこの内容で良かったのかが不明瞭なまま当日に持っていくことになりました。

試験前日

朝10時くらい発の新幹線を予約していたのですが、私が東京に着いたのが新幹線出発の1分後だったので逃してしまいました。調べてみると自由席のある新幹線なら特に手続きなしでも同じチケットで乗れるとのことだったのでそれに乗りました。

12時ごろに仙台に着いてからは午後5時ごろまで観光をしていました。このとき、勝つために昼ごはんとしてとんかつを食べました。めちゃくちゃ美味しかった。ホテルに戻った時点で結構疲れました。

図2: 試験前日の昼ごはん。勝つためのとんかつ

ホテルの朝食込みのプランで予約していることを思い出したので、夕飯は食べずに面接で話す内容をスラスラ喋れるように練習をしました。一回も口に出して読んだことがなかったので、事前に作った文章が長すぎたことにこの時点になって気づきました。話す練習をしながら、どこを削るべきか、違和感がないか、どうすればインパクトを残せるかといったことを考えていました。最終的にはまあまあいい文章ができたと思います。

夜10時に消灯、緊張しすぎて眠れず、3時ごろになってやっと眠りにつけました。

試験当日

試験が始まるまで

朝8時20分に集合だったので、朝6時に起きてシャワーに入り、10分ほど面接の練習をしてから朝食会場に向かいました。

朝7時に部屋に戻り、身だしなみを整えていたら7時40分になっていたのでチェックアウトして会場に向かいました(受験生の方は、チェックアウト後でもホテルのフロントで荷物を預けられることを知っておいてください)。

大学までの電車には同じ受験者っぽい人がいたので緊張をほぐすために話しかけてみました。同じく電気情報物理工学科を志望する方だったとのことで話が合い、だんだんと緊張がほぐれていきました。

集合時間ぴったりに会場に着いたのですが、もうすでに20人ほどは集まっていてびっくりしました。案内があるまでは最初には食堂に集まっていました。 しばらくすると、上の階に案内され、受験票の確認を行ってから大きな講義室に誘導されました。学科ごとに着席場所が分かれていて、私語厳禁と書いてあったので面接対策のノートを眺めていました。

8時40分になると激励が始まりました。

「みなさんはそれぞれの高専で非常に優秀な成績を収めてきた人たちだから自信を持って挑んでください。教授の方々も別にみなさんをいじめたくて面接をしているのではなく、お話を聞きたいだけなので焦って言葉が出なくなってしまっても喋れるまで待ってもらえますから心配しないでいいですよ。」

というような内容でした。私としても「運営側も試験の場を和やかにしようとしてくれてるんだな」と思って安心しました。

9時くらいから学科ごとに、それぞれの棟にある控え室への移動が始まりました。私たち電気情報物理工学科の控え室では、「他の受験生と喋ってもらっても構いません」と言われたので、面接時間まで2時間もあったので後ろに座っていた人に声をかけてみました。その人とは受験番号も1つ違いで、面接のタイミングも同じだったので結構楽しく話せました。この話がなかったら緊張しすぎてやばかったと思います。

試験内容

  • 受験番号と名前
    答えました。
  • 志望理由
    事前に考えていたメモ通りに話しました。かつてないほどスラスラ言えました。
  • 将来どういう人になりたいか
    想定していた質問ではなかったですが、しっかり答えられたと思います。
  • 高専でやったこととその役割
    DCONの話と現在やっているプロジェクトについて話しました。
  • 得意科目と苦手科目・その理由
    得意科目はアルゴリズムとデータ構造で、アルゴリズムとデータ構造で学んだことは自分のやりたいことがあったときに、自分なりにいじったり組み合わせたりできて、統計学も知っていればその検証もできるので楽しい。
    苦手科目は化学で、物覚えが悪いので元素周期表も8番目くらいまでしか覚えられていない。
    という感じの話をした
  • 4つの科目の中から問題を出すので、選んでください:電磁気学・電気回路・コンピュータのソフトウェア・コンピュータのハードウェア
    得意科目について聞かれるのかと思ったらまさかの選択形式でびっくりした。コンピュータのソフトウェアを選んだ。
  • クイックソートについて説明してください
    ホワイトボードに配列の絵を書いて説明した。「ピボットという基準を作ってそれより大きいか小さいかで分けるのを繰り返すアルゴリズムで、オーダーは基本は𝑂(𝑛log𝑛)です。」と言った
  • なんでそのオーダーになるんですか?
    「一回の呼び出しで𝑛回比較するのをlog𝑛の深さで行うからです。」と言った。
  • 𝑂(𝑛2)の計算量になることもあると思いますが、それはどんな時ですか?
    「ピボットが配列の最小値や最大値になるときです。」と言った。
  • では、マージソートについて説明してください
    配列の上に書いたpivotの文字を消してからよく見るマージソートの2分割を繰り返していく図を書いて、「こんな感じで一つずつの要素に分割していき、比較して結合して、比較して結合して、を繰り返していくアルゴリズムです。このアルゴリズムのオーダーは𝑛回の比較をlog𝑛の深さで行うので、𝑂(𝑛log𝑛)になります。」と言った。
  • スタックとキューについて説明して、それがどこに使われているかを教えてください
    縦長の長方形を2つ書いて、左がスタック、右がキューとしてそれぞれの長方形の下に「LIFO」、「FIFO」と書いてどういう動作をするのかの説明をした。
    どこで使われているかについてはテンパっていたのであまり出てこなく、「スタックは逆ポーランド記法を使うときに使い、キューはOSのジョブ管理でラウンドロビンを使う時に複数個のキューを用意して使いました。」と言った。
    あとで考えてみれば、相場DFSとBFSの話をするのが想定解なんじゃないかとも思った。そうすればヒープを登場させて優先度付きキューの話に繋げられただろうし。

(他に何か質問したい人はいますかね?とか面接官同士で喋っていた)

  • 誤り訂正符号について教えてください
    「わかりません」と答えたら「いえいえ大丈夫です」と言われた。

  • エントロピーについて教えてください
    全然覚えていないのに「機械学習で見たことはあります」と言ってしまって、説明することになった。曖昧にしか覚えていなかったので、ホワイトボードにlog2𝑝と書いて「何かが起こった時の驚き具合を表す量だとどこかで聞いたことがあります。」と言った。そうしたら面接官の方が「どこで使われるんですか?さっき機械学習って言っていましたよね。」と言われたので、ヤバいと思いながら「確か微分か何かしていたと思います」と言った。
    思い返してみたらそもそもエントロピーの式自体間違っていた(情報量の式を書いてしまった)し、機械学習での使い方も整理できていなかった。

  • では、お帰りください
    落ちた…と思った。

受験後

控え室で後ろに座っていた人が試験会場の建物から出てくるのを待って、少し散歩してから一緒に仙台まで帰りました。その人も対策していたものと口頭試問で出されたものが違いすぎて落ち込んでいたので、「多分みんなそうなんだな」と思って少し気楽になりました。

昼ごはんは牛タンを食べました。とっても美味しかったけれど、分量がわからずに張り切って注文してしまって食べ切るのにも結構時間がかかってしまいました。すごくお腹がいっぱいになりました。

図3: 試験当日の昼ごはん。張り切って注文した牛タン

帰りの新幹線を夜8時に予約していたため、松島にずんだもんのグッズが売っているお店があるとの情報を見て松島の観光をすることにしました。

図4: 試験後に向かった松島駅

図5: 松島で見つけたずんだもん

そこで近くの島を回る船みたいのがあったので乗っていたところ、気づいたら寝ていたようでもうツアーは終わってしまっていて出発地点まで戻ってしまっていました。

図6: 船ツアーで力尽きる前に最後に撮った写真

帰りの新幹線ではずんだシェイクを飲みました。思っていたよりまんま枝豆でした。